【ちほのゆったり京都暮らしvol.6】27歳。好きな街にもイライラすることがあるのだ!

鴨川 エッセイ

滋賀県出身で京都在住のOLが、京都での背伸びしない暮らしをご紹介する連載です。第6回目の今回は、京都に住む私がプラスとマイナスの気持ちを行き来するおはなし。


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京都が好きすぎる京都在住の20代女子。週末はもっぱら京都散策。おいしいものを食べたり、鴨川をさんぽしたり、しらない路地を冒険したり。。。趣味は旅行と着物とF1観戦。
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「なんでこんな街に住んでるんだろう」と、思うことが度々ある。

こんな街というのはもちろん私が住んでる京都のことで、夏は真横からヒーターを当てられてるんじゃないかと思うほど暑いし、冬は盆地のせいで足先から凍るほど寒い。

また、世界中から観光客が押し寄せるから、メインストリートの四条通は無心で歩かないとイライラしてしょうがない。こと美容院の予約時間ギリギリに家を出てしまった時なんかは最悪だ。

初夏の鴨川

そんなイライラしてても、二条大橋から北の山々を見たら全部どうでもよくなる。手前の山、奥の山、それぞれがどんな名前かなんて知らないけど、そんなことはどうでもよくて、今、この橋から北の山を眺めてるんだ、と言うことに高揚してしまう。

それは子供の頃、鉄道博物館で初めてSLを見た時みたいに。または旅行に行くために夜遅くに車に乗り込む瞬間みたいに。わくわくと高揚感をもたらしてくれる。

またそれは私の中にある境目のない透き通った水槽に、青々としたたっぷりの水が「ちゃぷんちゃぷん」と、なみなみに注がれてるような感覚。とにかく満たされるのだ。

鴨たち

自然が好きとはちょっと違う。京都に住んでいて「母なる大地」を感じることなんてまず無い。綺麗に整備された鴨川。思い思いの時間を過ごす地元民。旅行者。不器用に川に飛び込む鴨の軍団。一列に並んでる木々。それらが全部合わさって1つの時間を形成している。

鴨川のそばに腰掛けて歴史に思いを馳せてみる。紫式部が詠んだ歌。石田三成が処刑されたこと。この地で起こったすべてのこと。そして未来にも。そんなことを考えてるうちにどうでもよくなる。

遠くから太鼓の音が聞こえる。アラブだとかアフリカとか、おそらくそのあたりの太鼓。とことことん。とことことん。

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